
「難民」でも「仮放免者」でもなく
目の前にいる「隣人」として-
夏休みの記録
監督・撮影・編集:川田淳
クルド語・トルコ語翻訳:チャチャン・デリル 字幕監修:タス・ハサン 整音:藤口諒太 協力:川田愛子
2025 | 日本 | カラー | 16:9 | 95分 ©️Jun Kawada
トレーラー
イントロダクション
隣り合って生きるとは⸻
学習支援を通じた交流の記録
埼玉県川口市周辺にはクルド人の人々が暮らし、大半は難民認定申請者である。多くの家庭では父親が解体業に従事し、母親が家事と育児を担っている。父親は仕事で日本語を覚えるが、読み書きをできる人は少ない。母親は日本語を学ぶ機会がほとんどなく、話すことができない人も多い。子どもたちは言語の違いから学校の勉強についていくのが困難になっているケースも少なくない。両親は日本語の読み書きが不十分なため、子どもの勉強のサポートが難しく、文化の違いや言葉の壁から地域では摩擦や分断が生じている。
近年様々なメディアで「難民」や「仮放免者」として在日クルド人の存在が伝えられている。他方で彼らを「難民ではない」とする声もある。しかし「難民」や「仮放免者」であるかないかに関わらず、彼らは今すでに同じ街に暮らしている。その彼らと私たちはどのように向き合えばいいのだろうか。
川田は2019年から近所に暮らす在日クルド人たちの家を訪問し、日本語学習支援などを通じて交流してきた。文化や慣習の違いに戸惑うこともあったが、その“違い”こそが交流の原点となってきた。日本語を勉強しながらたわいもない会話を交わし、共に過ごす―そんな日々の中にこそ、コミュニティの可能性を見出すことはできないだろうか。
本作『夏休みの記録』は川田と同じマンションに暮らすクルド人姉弟が夏休みの宿題をする様子と、母親たちが日本語を勉強する姿を記録したものである。それはメディアで報じられる悲劇的な「難民」や「仮放免者」でもなく、SNSで語られる暴力的な「クルド人」でもなく、目の前の「隣人」として出会った彼らの姿である。
監督・撮影・編集 川田淳
1983年埼玉県生まれ。2007年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。沖縄で戦没者の遺骨を掘り続ける男性の手伝いをしながら、遺留品の遺族を探し求める作品『終わらない過去』、中国と沖縄で戦争体験をした元日本兵の証言を記録した作品『生き残る』、ハンセン病回復者の方と追い出された故郷や隔離されていた施設を共に訪れ、その記憶を辿った『石山さん』などを制作。今までに美術館や映画祭などで作品を発表している。


上映情報
2025年10月31日(金)石川県金沢市 上映会
上映時間:19:00~ (開場18:30)
会 場:石川県金沢市広坂1-2-1 金沢21世紀美術館 シアター21
定 員:156名
料 金:700円 (予定)※当日現金のみ
※監督の登壇はありません
予 約:不要
お問合せ:映画「夏休みの記録」上映委員会 金沢事務局
MAIL | natsuyasumi.kiroku.kanazawa@gmail.com
2025年8月17日(日)東京都港区 上映会
上映時間:13:15~ (開場13:00)
会 場:東京都港区六本木7丁目15-17ユニ六本木ビル7階A号室
定 員:30名
料 金:1,000円 (上映終了後に自由参加の懇談会あり。懇談会参加費1,000円)
※監督の登壇及び懇談会への参加はありません
予 約:事前予約優先
お問合せ:野坂、篠田
MAIL | tsevent19@gmail.com
2025年7月24日(木)埼玉県川口市
『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025』
『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025』コンペディション部門に入選いたしました。
上映日時:2025年7月24日(木)10:30~
会 場:SKIPシティ映像ホール
公式HP:https://www.skipcity-dcf.jp/
お問合せ:SKIPシティ国際Dシネマ映画祭事務局
TEL | 048-263-0818 MAIL | info@skipcity-dsf.jp

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